2020年9月、新卒学生向けスカウトサービス『iroots』上で、サイトを利用している2022年に卒業予定の大学生/大学院生を対象に「オンラインインターンシップ」についてアンケートを実施し、743名から回答を得ました。
学生の”生の声”から、オンラインインターンに対する学生の満足度、良かったインターンとイマイチだったインターンのそれぞれの特徴などをご紹介します。自社の採用活動にお役立てください。
目次
オンラインインターンシップに参加した学生の7割は「満足」
『iroots』に登録している22卒学生にインターンシップへの参加経験を伺ったところ、95%が「参加経験がある」と回答しました。
参加したインターンの形式で最も多かったのは、「全日程オンライン」(88%)。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、従来の対面からオンラインに切り替えて開催する企業が増えたことが要因だと考えられます。「全日程オフライン(対面)」の参加経験者は、その半分の44%でした。
Q1.インターンシップへの参加経験はありますか?(オンライン・オフライン問わず)
次に、「オンラインのインターンシップに参加したことがある」と回答した方にオンランインターンシップの満足度を伺ったところ、「とても満足」または「満足」と答えた学生は全体の72%でした。
Q2.「オンラインのインターンシップに参加したことがある」と回答した方に伺います。満足度を教えてください。
7割以上の学生がオンラインインターンシップに満足しているという結果が出ましたが、オンラインインターンシップに参加した学生の満足度を左右する要因はどこにあるのでしょうか。
社員との交流、グループワーク…企業と学生の”相互理解”が満足度を左右する
オンラインインターンシップに参加した学生に、「良かったオンラインインターンシップの特徴」と「イマイチだったオンラインインターンシップの特徴」をそれぞれ伺いました。
まず、「良かったオンラインインターンシップの特徴」としてもっとも多かった意見が「社員と交流する機会が多かった」(23%)。次いで「グループワーク中心のコンテンツ」(20%)、「丁寧なフィードバックがもらえた」(12%)という意見が続きました。
Q3.参加して良かったと思ったオンラインインターンシップの特徴を教えてください。
▼学生の声(一部抜粋)
社員と交流する機会が多かった
・オンライン開催の特性を活かし、海外支社や地方支社の社員と交流できたのが良かった
・座談会形式になっており、社員に気軽に質問することができた
グループワーク中心のコンテンツ
・ZOOMのブレイクアウトルーム機能を用いたグループワーク
・グループワークや逆質問コーナーでは、自分から働きかけないと話が進まないので、自主性を発揮しやすい
丁寧なフィードバックをもらえた
・少人数制で社員の方から細かなフィードバックを頂けたインターンシップ
・少人数開催で、グループワークに対する社員の方からのフィードバックがチームと個人の両方に対していただけたこと
実践的なコンテンツ
・コンテンツがよく練られており、実際の業務に近いことが体験できた
・オンライン(zoom)でも、携帯電話を活用し職業(営業)体験ができたところ
時間配分が適切・進行がスムーズ
・運営がしっかりしていて、グダグダすることなく参加出来た点
・限られた時間をどう有効活用するか計画が練られていたと思う。かなり内容の濃い時間だったと感じる
ロジ周りが整備されていた
・必要なファイルの共有などもスムーズだった。オンラインだったが、対面で会うのとおそらく変わらないぐらい対応が丁寧だった
・iPhoneを事前に自宅へ郵送にて貸してくださり、そのiPhoneのデザリングにて回線が滞ることがほとんどなかった点
学生同士で交流する機会が多かった
・日本全国の学生と繋がることができること。グループワークでは、都会に住んでいる人と田舎に住んでいる人と、両方の具体的な意見のおかげで、よいアイデアが生まれたことがあった
・就活生同士の交流ができ、アイスブレイクの時間が十分あったためグループディスカッションもうまく行った
企業理解が深まるコンテンツがある
・グループワークの時間もしっかりありながら、会社説明を事前にしてくれていた点
・会社紹介をオフィスから中継
作り込まれたコンテンツ
・動画コンテンツなども交えていた
・実施するコンテンツが複数あり飽きが来にくいもの
休憩時間がきちんと設けられていた
・昼食の時間帯において自分一人の時間が持てる
・休憩時間が確保されていて、メリハリのあるインターンだったこと
「一方的に話を聞くだけ」では誰でも視聴できるオンライン説明会と同じ
次に、「イマイチだったオンラインインターンシップの特徴」としてもっとも多かった意見が「社員と交流する機会が少ない」(22%)。次いで「会社の雰囲気がわからない」(11%)、「形式不満」(8%)という意見が続きました。
Q4.参加してイマイチだと思ったオンラインインターンシップの特徴を教えてください。
▼学生の声(一部抜粋)
社員と交流する機会が少ない
・社員の方と話す機会が少なかったこと
・社員の方との気軽なフリートークや交流が短い、社員の方の盛り上がりがイマイチ
会社の雰囲気がわからない
・人事の方しか顔が出ないので、会社の雰囲気が伝わってこない
・事業立案のみなど、その会社の社風などが全く分からないコンテンツ
形式に対する不満
・ただの講義形式。ESを出して選考され、かつ2daysだったのに顔も声も出すことなく話を聞くだけで終わった。誰でも受けられるオンライン説明会と同じではないか、と感じた。
・個人ワークをしてみんなで共有するだけのインターン
システム(通信)トラブル
・ネットの回線が悪いと相手が何を話していたか分からない。またその内容も全員の前で聞き返すことができない
・参加者の通信トラブル等で予期せず進行が遅れる点、会社を実際に見学出来ない点、社員さんの声が聞こえにくい時がある(指摘しにくい)など
学生同士で交流する機会が少なかった
・同業界を志望している学生とのコネクションが作りにくい。対面ならもっと仲良くなって情報交換など出来ていたのかなと思う
・会社説明だけで、お互いに話ができないインターンシップが良くないと感じた。学生側のマイクやビデオがないのでコミュニケーションが取りにくかった
コンテンツのレベル・時間配分に不満
・内容が充実していないオンラインインターン(例:ホームページを見てわかるような情報だけを提供しているインターンなど)
・計算作業などの細かい個人作業が多く、リモートだと分担やタイミングがしづらく、メインのディスカッションにあまり時間を割けなかった(あまり業務に繋がらない作業が多かった)
発言タイミングが難しい
・声が被ったり各々で別の仕事ができないなど、議論全般については不便だと感じる。対面なら簡単に別の仕事を割り振ることができる。また、やはり対面の方が圧倒的に表情なども分かりやすく、仲良くなりやすい
・タイムラグがある、一度に一人しか話せない、すべての発話が1対全員になるので議論を進めにくい
長時間拘束(休憩不足)
・オンラインだからという理由で、休憩が非常に短かった。座っているだけではあるが、集中力が続かないので5分ほど休憩を入れてほしい
・いわゆる「残業」が多いものは、オンラインだと夜通し作業することが物理的に可能になり、無制限に作業できてしまう
質問を拾ってもらえない
・会話者は1名に限られるので、本来であればもっと深められる様な話し合いも無駄に時間がかかってしまう印象や、大人数が参加するので、質問が拾われないことが多いと感じる
・質問をコメントなどに投稿する形態の場合、どんどん流れていき、新しい質問に埋もれていくので、あまり質問に答えてもらえない点
進行がすべて学生任せ
・ワーク中に社員の人がおらず、発表も希望した班だけだったので、充実度が低かった。対面と比べても社員の方のアドバイスを受ける機会が少ない
・グループワークが全て学生任せ。(必ずしもレベルの高い学生だけが集まっているわけではないので、無駄に時間を過ごしてしまうことがある…。)
まとめ
参加して良かったインターンシップの特徴とイマイチだったインターンシップの特徴を見比べてみると、いずれも1位は「社員との交流機会が多かった・少なかった」という結果になりました。
この結果から、「オンライン上においても企業と学生が”相互理解”できる場であったかどうか」というところがインターンシップの満足・不満足を左右しているということがわかります。
また、海外や地方にいる社員との座談会や、ブレイクアウトルームを使った交流会など、オフラインで行なっていたことをそのままオンラインに置き換えるのではなく、オンラインだからできることをうまく取り入れているインターンシップが学生から支持を得ていることが印象付けられた結果となりました。
これから始まるウィンターインターンシップの企画にお悩みの際には、改めてこの学生の”本音”からヒントを探ってみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『iroots』を利用する2022年に卒業予定の大学生/大学院生
■有効回答数:743名
■調査期間:2020年9月11日 ~ 9月17日