2021年8月、新卒学生向けスカウトサービス『iroots』上で、サイトを利用している2022年に卒業予定の大学/大学院生を対象に就活体験についてアンケートを実施し、884名から回答を得ました。
就活に関する学生からの”生の声”をもとに、内定状況、企業への印象がポジティブ・ネガティブになった理由とエピソードについてご紹介します。自社の採用活動にお役立てください。
 

就活状況について

 
●現在の就活状況
 
現在の就活状況に関して伺うと、全体で82%の学生が「就職先企業を決定し、就活を終了した」と回答しました。
 
【図1】現在の就活状況を教えてください。

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●内定数
 
内定を得た企業数は「1社」が31%、「2社」は24%、「3社」が18%と、内定獲得3社以内の学生が全体の70%以上を占めました。
 
【図2】内定をもらった企業数は何社ですか?
※設問1で「就職先企業を決定し、就活を終了した」「内定は出ているが、就活を続けている」と回答した人(788名)に質問

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●内定獲得後も就活を続けている理由
 
設問1で「内定は出ているが、就活を続けている」と回答した人に就活を続けている理由を伺ったところ、半数以上の学生が「内定をもらった企業への入社を迷っているため」と回答しました。
また、理系学生が就活を続けている理由で最も多いのは「より志望度の高い企業の選考が残っているため」(61%)という結果になりました。
 
【表1】就活を続けている理由はなんですか?(複数回答可)
※設問1で「内定は出ているが、就活を続けている」と回答した人(57名)に質問

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企業への印象がポジティブになった理由・エピソードについて

 
就活を経験した学生に、企業への印象がポジティブになった人事・社員の行動を伺ったところ、最も多い回答が「好感的な話し方・態度を心掛けていた」(48%)、次いで「選考結果へのフィードバックをくれた」(40.3%)、「ありのままの自分を理解しようとしてくれた」(40.1%)「企業のマイナス面も包み隠さず教えてくれた」(30.5%)という回答が続きました。
 
 
【図4】企業への印象がポジティブになった人事・社員の行動を教えてください。(複数回答可)
※設問1で「就職先企業を決定し、就活を終了した」「内定は出ているが、就活を続けている」「選考を受けている」と回答した人(846名)に質問

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●特に好印象だったエピソード

・面接官が2人いて、お互いに会話ベースで進められた。選考というより、面接官と私の3人でお話ししているようなイメージで面接が進み、和やかで緊張することなく自分の素を出すことができた。

・面談後に丁寧にフィードバックをいただけたので、その後の面接だけでなく他の企業の面接でも生かすことができた。

・多くの企業さんが高校から大学までの出来事について質問する中で、中学以前の私自身にも向き合って変わらない人格を理解しようとしてくれていた企業さんには好感を持った。

・昨年の不祥事があったことで、会社の中で、かなりの危機感があるとのことを正直に話してくださった。

・面接結果の速さがなによりも有り難かったです。

・海外事業に興味があると言ったら、グローバル教育の責任者を次の選考に呼んでくれたことです。私のキャリアと向き合って頂けたのが嬉しかったです。

・自分の将来のキャリアプランを一緒に考えてくれた企業は、非常に好印象でした!
 
 

企業への印象がネガティブになった理由・エピソードについて

 
企業への印象がネガティブになった人事・社員の行動を伺ったところ、最も多い回答が「不愛想(威圧的)な態度をされた」(35.7%)、次いで「選考結果の連絡がなかった」(35.1%)、「答えにくい質問をされた・圧迫面接だった」(25%)という回答が続きました。
 
 
【図5】企業への印象がネガティブになった人事・社員の行動を教えてください。(複数回答可)
※設問1で「就職先企業を決定し、就活を終了した」「内定は出ているが、就活を続けている」「選考を受けている」と回答した人(846名)に質問

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●特に悪印象だったエピソード

・とても話しづらいような圧迫面接があり、とても嫌な気持ちになった。自然体の自分を出すことができず萎縮してしまった。

・学生時代に頑張ったことそのものへの否定(サークルとアルバイト以外を否定)。サークルに所属していない旨を伝えると「可哀想」と言われたこと。

・Web面接の際、面接官が4,5人いたが全然顔が見えず、またカメラから遠すぎてとても喋りづらかった。

・不合格でも、その連絡はして欲しかった。特に最終面接で3週間以内に連絡すると言われて、何も連絡なしに3週間経った時には、次の予定も立てづらいし、メンタル的にも辛い。

・選考結果について連絡がなかった。お忙しいと承知しているが不誠実に感じてしまった。

・zoomで面談の際に、面談を忘れられたり、遅刻されたりすることがあった。その際に悪びれる様子もなかったことが気がかりだった。

・イベントの進行が時間通りにいかず、予定時刻より30分もかかってしまったことがあり、次の予定もあったのでかなり困りました。

・緊急事態宣言発令直後にも関わらず、対面での面接に呼び出されてオンライン参加の選択肢を与えられなかった。
 
 

まとめ

 
すでにオンライン選考が前提になっている状況において、オンライン上においても学生と企業がありのままに「対話」できる選考が行われていたかどうかということが、企業への印象をわけています。

また、オンラインで気軽に面接ができるようになった一方で、遅刻やキャンセル、通信環境の不備に対する不満も多く挙げられていました。

オンライン選考が定着しつつある今だからこそ、前後の時間に余裕を持ってスケジューリングしているか、ソフト・ハード面の両方において学生の話を丁寧に聞ける環境を整えられているか、ノンバーバル(非言語)な部分も含め、オンライン上でも相手に伝わるようなリアクションを取れているか、などの基本的なポイントを振り返ることが、オンライン時代における採用力の向上に繋がっていくでしょう。