【meet upレポート】ヤフーの人事が語る「参加者満足度が高いエンジニア向けインターンの作り方」

【meet upレポート】ヤフーの人事が語る「参加者満足度が高いエンジニア向けインターンの作り方」

 コロナ禍においてオンラインのインターンを実施し、「オンラインでありながらリアルな会社の雰囲気を知ってもらう」「オンラインでありながら満足度の高いインターンを作る」という点に課題を感じている企業も多いのではないだろうか。
 
 今回、昨年夏に30種以上のエンジニア向けインターンを開催したヤフーで、インターンの企画・運営に携わられているお二人をお招きし、参加者満足度が高いエンジニア向けインターンについてお話を伺った。

※本コンテンツは、2021年5月に開催されたiroots人事ミートアップの内容から構成されたものです。

Speakers:
ヤフー株式会社 コーポレートPD本部 採用部長 大森 靖司氏
ヤフー株式会社 コーポレートPD本部 採用部 採用担当 矢野 雄保氏

Moderator:
エン・ジャパン株式会社 新卒iroots事業部 山崎 壮太
エン・ジャパン株式会社 新卒iroots事業部 石下 卓憲

記事の目次

  1. 1.2020年夏には30種以上のエンジニア・デザイナー向けインターンを開催
  2. 2.① 就業型コンテンツによるリアルな業務体験
  3. 3.② 会社のカルチャーに触れる
  4. 4.③ 社員と濃い接点の提供

2020年夏には30種以上のエンジニア・デザイナー向けインターンを開催


―最初に、ヤフーの採用・人事制度について教えてください。

ヤフー株式会社 コーポレートPD本部 採用部長 大森 靖司
2005年に人材紹介会社に入社。2010年よりインターネットサービス企業にて、100人から2000人規模までの採用活動を推進。2014年にヤフー株式会社に入社、ポテンシャル採用からキャリア採用までヤフーの全採用における母集団形成をリーダーとして主導。その後クリエイター向けの人事施策の企画運用、部門人事を経て、現在はヤフー全体の採用責任者を務める。


大森: 現在ヤフーでは、ポテンシャル採用・キャリア採用という区分で毎年数百人の採用を行なっています。それまでは新卒採用・中途採用という区分で採用を行なっていましたが、起業や留学をはじめとする学生の多様化に伴い、入社時期に縛られず、かつ、応募時30歳以下の既卒まで含めて対象とする現在の区分に変更しました。

 ヤフーの人事制度の設計思想は、「会社と社員はイコールパートナーである」「自由と責任はセットである」という考えが根本にあります。
 社員一人一人の才能と情熱を解き放ち、成長できる機会を増やす「人財開発企業」であろうとしています。すべての社員に無限の可能性があるという考えのもと、一人一人が経験から学び、成長につなげていく。
 そういった、「経験学習」のサイクルを回す素養のある仲間の獲得を目指すことを目的に、採用活動を行なっています。


―昨年開催したインターンの概要について教えてください。
 

ヤフー株式会社 コーポレートPD本部 採用部 採用担当 矢野 雄保
2013年に非鉄金属メーカー入社。2018年 ヤフー株式会社に入社、主にポテンシャル採用の選考管理を担当。インターンシップに関しては夏3回、春1回の企画・運用を実施。2020年夏インターンの完全オンライン化についても、企画~選考~受け入れまでのすべてを担当。


矢野: 昨年8月〜9月で、エンジニア・デザイナー職種向けのインターンをオンラインで開催し、のべ70名の学生にご参加いただきました。
  参加いただくにあたり、書類選考・コーディングテスト・面接を実施しています。現在のスキルだけでなく、学びの習慣や意欲がどれだけあるのかという部分も見ています。

  ヤフーのエンジニア向けインターンの特徴は二つあります。一つは就業型であること、もう一つが多種多様なコースを提供していることです。
のべ参加人数が70名なので、1コースあたり1〜3名、多いところでも5名の参加人数です。

 先に結果からお伝えすると、昨年のインターンにおいては参加学生の96%が「非常に満足」、残り4%が「満足」と回答してくれました。はじめてのオンラインインターンであったものの、想定以上に高い満足度となりました。この結果に至るまでに、オフライン時代から様々な試行錯誤がありました。本日はその取り組みや考えをご紹介できればと思います。


―参加者満足度が高いインターンを作るために意識しているポイントについて教えてください。


矢野: 満足度を高めるためのポイントとしては、就業型コンテンツによるリアルな業務体験、会社のカルチャーに触れる、社員との濃い接点の3つを押さえるようにしています。これにより、ヤフーで働くイメージができ、ヤフーで成長できると感じてもらえるのではないかと考えています。
 

① 就業型コンテンツによるリアルな業務体験

矢野:  インターンには、実際のチームにジョインし業務そのものやってもらう「就業型」、業務そのものでなくても使うものは業務と同じである「業務経験型」、業務とは全く別にインターン用のコンテンツを体験してもらう「企画型」、という大きく3つの分類があると思っています。
 
  その中でヤフーは「いかに実際の業務に近いことができるか」という部分を大事にしているため、就業型または限りなくそれに近い業務経験型のインターンを実施するようにしています。
  過去に企画型のインターンを開催したこともありましたが、インターンで経験したことが業務と違うことにより、双方においてミスマッチが生まれてしまうことがありました。
 就業型インターンのコンテンツ設計の大部分はエンジニア部門にお任せしており、人事は調整・サポートに回っているという点もこのインターンの大きな特長の一つです。
 
  それを実現するためには綿密な事前準備が必要となるため、インターンの企画自体は前年の冬あたりから着手し始めます。エンジニア部門とは週次のMTGが開催されており、工数の頭出し、人員調整の依頼などを相談しながら進めています。

 コンテンツ設計の大部分はエンジニア部門にお任せしていますが、私たち人事でもインターンの内容をなるべく把握するようにしています。そして、過去のアンケート内容や学生のニーズなどを踏まえながら、よりよいインターンとなるように、時には内容に踏み込みながらコンテンツの見直しの提案や相談をしていくこともあります。

大森:  VPoE(技術系のマネジメント責任者)との定期的なMTGも行っており、インターンの企画時期であれば内容について相談を持ちかけ、それ以外の時期であればキャリア採用なども含めたエンジニア採用全体の進捗を報告し、アドバイスをもらっています。


―就業型インターンの場合、セキュリティ面を懸念される企業も多そうですが、ヤフーではその点をどのようにクリアされているのでしょうか?


矢野:  セキュリティ部門に相談し、「このアカウントや設定であればインターン生が情報にアクセスしても大丈夫」という線引きを行なっています。方向性としては、インターン生だからアクセスできる情報を最低限にする、というものでなく、触れていい情報にはなるべく多く触れられるように業務委託社員と同じレベルの権限を設定しています。


―「現場の社員がそこまで協力してくれるか不安」という意見もあるかと思いますが、意識的に工夫している点はありますか?


矢野:  ヤフーの場合は、インターン経由で入社した方の定着度や活躍度などを調査し、社内関係者に伝えるようにしています。
 また、一括して行える申請や準備などは人事が対応するなど、部門の負担を減らせる部分は人事で対応します。事前に説明会などを行い、その役割を明確にしておくようにもしています。
 
  今年、社内の関係者から、部門の負荷低減の観点でポジティブにフィードバックをもらった点は、チャット上での即レス・即対応です。初めてのオンラインインターンだったので様々な想定外のことが発生しました。相談は関係者を集めたSlackチャンネル上で行っていましたが、なるべく早く反応し、半日以内には問題を解消するというスピード感を心掛けていました。現場で求められるスピード感や効率を意識しながら、それについていけるように対応することで、少しずつ信頼関係を築けたのではないかと思います。

大森: 現場ではインターンの計画・受け入れを既存社員の人材開発・人材育成の一環としても捉えています。インターンを通じて成長するのは学生だけでなく、現場の若手も同じであるという観点で現場の方にお話しいただくことも有効かもしれません。

② 会社のカルチャーに触れる

矢野:  ヤフーのカルチャーが表れる取り組みの一つとして、1on1が挙げられます。インターンに参加した学生の皆さんに、「ヤフーの1on1とはどんなものか」ということをその根幹にある考え方などもお伝えして、実際に現場社員との1on1に参加していただきます。
 
  1on1を人事と学生で実施していたこともありましたが、技術者同志で技術的な会話をする時間を確保することが重要と考え、現場のエンジニアと実施する形に変えました。実際にエンジニア社員としっかりと話せたということがアンケートのポジティブ回答でも多く見られますので、これも満足度の向上に寄与していると思います。
 
  他にも、社内イントラなど社員が日々触れている情報にアクセスできるようにする、参加可能なMTGには参加できるように対応いただくなど、業務の中身だけでなく、会社に所属していれば体験できることを様々な形で体験してもらうようにすることを意識しています。

③ 社員と濃い接点の提供


矢野: 先ほどの1on1の話の続きにはなりますが、学生から「あのサービスにかかわっている人と話してみたい!」というような要望があれば、インターンの関係者ではなくても1on1をセットします。1on1が社内文化として根付いていることもあり、依頼された社員も協力的に応じてくれます。
  その他に部門側で工夫いただいていた事例として、「分報」という形で、インターン生が自由につぶやける場を作られてたケースもありました。例えば、インターン生の「このプログラムがうまくいかない…」といったつぶやきを投稿しているのを見て、現場エンジニアが「このドキュメントみてみるとよいかも!」といった形でフォローしていました。

  エンジニア学生は、足元の待遇だけでなく、誰と働くか・どのような環境で働くかによって、この先自分がどれくらい成長できるかという点も重視している方が多いです。それを体感してもらうために、現場のエンジニアとの濃いコミュニケーションが取れる仕組みを様々な形で用意することが大切であると思っています。

 インターン生の参加後のアンケートを振り返ってみると、人事に対するコメントは良くも悪くもほとんどなかったんです(苦笑)。
「現場の●●さんにとてもお世話になった」「実際の業務を体験できてとても嬉しかった」などの感想がほとんどで、私たちとしてはいい意味で黒子に徹して動くことができたと認識していますし、それぐらい学生は現場との接点を求めているのだと改めて感じました。

  エンジニアの学生はやはりエンジニア社員との接点が再重要だと思います。そこに無理やり人事が介入しなくても、学生が求めている環境さえ準備できれば、満足度の高いインターンになるのではないでしょうか。


―本日はありがとうございました。


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当日参加された皆様からは、

・目的やなぜこれなのかという理由もあり、とてもわかりやすかったです。また、運営側の皆様からも質問を投げかけていただいたりと、気になっていたことが解消されました。本当に勉強になりました。

・想像以上にヤフーのインターンの実情について赤裸々にお話いただき、非常に満足度の高いmeetupでした!ありがとうございました。

・現場社員の巻き込み方や学生とのコミュニケーションなど勉強になることが多く、参考になりました。ひとつひとつの質問に丁寧に回答いただき、ヤフーさんの内側のリアルを知ることができとても良い時間となりました。ありがとうございました!!


など、自社のオンラインインターンシップを企画する上で参考になったというお声をたくさん頂戴しました。

irootsでは、引き続き人事の皆様に向けたミートアップを開催して行く予定です。

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