24卒学生と同じく、大学入学時からコロナ禍で学生生活をスタートさせた25卒学生。現在大学2年生の彼らは、オンラインとオフラインが混在する中でどのように学生生活を送り、どのような将来像を描いているのでしょうか。今回は、irootsを利用する学生する25卒学生の中から、海外大学在学中、起業中、留学中という3人にインタビューをおこない、学生生活の過ごし方や現在就活に向けておこなっていること、本格的に就活をはじめる時期、参加してみたい25卒学生向けコンテンツについてお話を伺いました。
 

Monash University Malaysia 教養学部 Yさん

高校卒業後にマレーシアの大学へ進学。高校時代から地元長崎で平和教育に関する活動をおこなっており、現在もマレーシアと日本を行き来しながら平和教育活動やNPOメンバーとして途上国支援をおこなっている。

立命館アジア太平洋大学 国際経営学部 Mさん

学業の傍らで大学1年生から韓国料理のカフェをオープンし、現在も経営を続けている。また、国際交流が盛んな大学の特色を活かし、国内生・国際生向けに国際交流イベントの企画・運営にも携わっている。

お茶の水女子大学 文教育学部 Sさん

大学1年生のときに1年間休学し、ドバイ万博の日本館アテンドスタッフとしてドバイへ。大学2年生の9月からはイギリスに留学し、マンチェスター大学にて国際政治学を勉強中。来年の春に帰国予定。

コロナ禍を言い訳に、何もしないのは嫌だった

―大学生活について教えてください。
 
海外大生 Y:大学生活がはじまったときはオンラインの授業がメインだったので、都心部や田舎を転々としながら、場所に縛られず授業を受けていました。

コロナ禍によって偶発的な出会いは減ったかもしれませんが、好きなことと両立しながら学ぶスタイルは自分の性に合っていると感じます。今は対面授業に戻りつつありますが、一部オンラインも取り入れながら効率的に学ぶことができているのはありがたいですね。

普段は授業や部活に大半の時間を割いていますが、長期休暇のときにはライフワークとしておこなっている平和活動や、ビジネスについての勉強をおこなっています。

自分の将来についてまったく想像がつかないので、ビジネスの知識や経験が人生設計の役に立てばいいなと思っています。
 
起業学生 M:正直、大学に入学したときは「思っていた学生生活と違うな」という印象でした。

せっかく国際交流が盛んな大学に入ったのに、コロナの影響で国際生との交流がほとんどできず…。授業もすべてオンラインで、予定した短期留学もキャンセルになり、あまりやりがいを感じられない日々が続いていました。

それでもコロナ禍を言い訳に何もしないのは嫌だったので、国際生と一緒に日本一周に挑戦したり、野球サークルの主将を務めたり、料理好きを活かして自分で韓国料理のカフェをオープンしたり、限られた環境の中でも精力的に活動してきました。

2年生になってからはキャンパスに国際生も増えてきて、対面授業も再開されたのでコロナの影響はほとんど感じていません。
 
留学生 S:私もふたりと同じように入学時はオンラインの授業ばかりでした。

録画した授業を見ているだけなのに課題は多く、図書館も開いていない中で勉強をするのが大変でした。オンラインだと友人もできづらく、アルバイトの募集も少なかったので、人との関わりが少ないのもストレスでしたね。

その中でもできることをやろうと思い、学生団体に入ったり、1年間休学をしてドバイ万博のスタッフとして働きに行ったり、できることは頑張ってきたつもりです。

今はイギリスに留学中で、コロナの影響を感じることはほとんどありません。大学では授業の参加に求められるレベルが高いので、毎日夜中の2〜3時まで勉強する日々が続いています。
 

時差を利用し、24卒向けインターンにオンラインで参加

―現時点での就活への意識について教えてください。
 
海外大生 Y:正直に言うと、まだすごくふわふわしている状態です。今やっている平和活動やビジネスの勉強を社会に還元できればいいなとは思っていますが、まだ具体的なイメージは湧いていません。

マレーシアでは大学2年生か3年生でインターンに行くことが一般的(※)なので、そろそろ面接を受けないと…と焦りつつもあります。

友人たちからは渋々はじめたインターンで仕事の面白さに気づいたという話も聞いているので、自分もそういうインターンに出会えればと期待しています。

(※)…マレーシアの大学は基本的に3年制。
 
起業学生 M:韓国料理のカフェや国際交流イベントの開催など、自分ができる限界までビジネスをやりたいと思っていますが、大学卒業後はスキルや経験を身につけるために就職したほうがいいのではと考えています。

兄もIT大手に就職してから3年で起業したので、彼をロールモデルとしてイメージしています。とはいえ今はまだ具体的に活動をしているわけではありません。

就活の雰囲気を知るために一度企業の説明会には参加しましたが、「こういう感じか〜」という印象で終わりました。

周りも同じような感じで、インターンをやっている人はちょくちょくいるものの、ほとんど動きはじめていません。
 
留学生 S:こちらにいる日本人学生は休学でブランクがある分、就活に対しては少し焦りを感じているように思いますし、私も同じです。

なので、最近は25卒でも参加できる24卒向けのオンラインインターンにちょくちょく参加しています。

時差をうまく活用すれば授業との両立もできるので。スケジュール的にしんどいと思うこともありますが、こちらにいると勉強一色になってしまうので、日本との接点を持つことがある意味気分転換になっています。

現時点では院進の可能性もゼロではありませんし、公務員試験も受けてみようと思っていますが、優先度が高いのは民間就職なので、就活をしながら進路について考えるつもりです。
 

本格的に動きはじめる時期、志望業界は?

―就活に向けて本格的に動き出す時期はいつ頃の予定ですか。
 
海外大生 Y:院進も検討しているのですが、それは成績次第でもあるので来年の秋〜冬ぐらいには方向性を決めて動き出すつもりです。

ただ、どちらの選択肢を取るにせよ、すぐに動き出せるように情報収集はしておきたいなと思っています。

民間就職するとしても日本にするのか海外にするのかも決めていないので、その判断材料も集めないといけないですね。
 
起業学生 M:大学3年生の夏から動きはじめる予定です。インターンに参加して経験を積んで面接を受ける…というのが一般的な流れなのかなと思うので、自分もそうするつもりです。

本格的に動きはじめるのはまだ先ですが、大学のキャリアオフィスから届く企業説明会の案内をチェックしたり、友人が開催している低学年向けの就活イベントに参加したりという活動は今からやっておくつもりです。
 
留学生 S:大学の授業が忙しいので、本格的に動きはじめるのは帰国後の来春以降になると思います。

時期的にはサマーインターンの選考がはじまる頃だと思うので、エントリーシートを書くところからはじめるのではないでしょうか。それまでにirootsのプロフィールを記入したり適性検査を受けたりしながら自己分析を進めておこうと思います。
 
―現時点で、志望業界や志望企業はありますか。
 
海外大生 Y:教育、人権団体、ジャーナリズム業界に興味を持っています。両親や親戚が教師をやっているのですが、今の先生はやることが多くて手の回らない部分もあるようなので、外部から教育現場を支えるような仕事ができればと考えています。
 
起業学生 M:まだあまり定まっていませんが、テック系、飲食、旅行、人材業界などに興味を持っています。兄がテック系で働いていたり、自分がカフェや国際交流の旅行イベントを企画していたりするので、イメージが湧きやすいというのが理由です。

ただ、今から狭めるのはもったいないと思っているので、広い視野で企業を見ていきたいですね。
 
留学生 S:もともとはグローバルに活躍できる、かつ社会貢献性が高いという理由で政府系機関、商社、海運、メーカー、エネルギー業界を見ていました。

ただ、他の企業の説明会にまだあまり参加できていないので、最近はもっといろいろな業界を見てから決めたほうがいいのではないかと思うようになりました。
 

「これが自分の強みだ」と胸を張れるような経験を積んでおきたい

―就活までにやっておきたいことはなんですか。
 
海外大生 Y:社会で働くことのイメージがまだ持てていないので、社会人の方にどういうお仕事をしていて、どんな苦労ややりがいがあるのかをお伺いできればと思っています。

今のところキャリアについて考えたりお話を聞いたりする機会が少ないので、自分からそれを探しにいかないといけないですね。
 
起業学生 M:「これが自分の強みだ」と胸を張れるような経験を積み、それを言語化できるようになっておきたいです。

そのためには就活のために活動するのではなく、自分を磨くための活動が必要だと思うので、自分の強みや弱みを見つけられるような長期インターンにはチャレンジしておきたいです。
 
留学生 S:自分の軸を定めておきたいです。就活は長期戦になるでしょうから、その中で自分のことがわかっていないと精神的に大変でしょうし、数打ちゃ当たる作戦ではミスマッチを起こす可能性もあるので。

仕事に何を求めるのか、何を大切にしたいのかをちゃんと自己分析してから挑みたいです。
 

参加してみたい25卒向けコンテンツは…

―最後に、どのような25卒向けコンテンツがあれば参加したいですか。
 
海外大生 Y:就活を終えた先輩の体験を聞けるような場があれば嬉しいです。自分が海外大生ということもあり、周りの人がどんな就活をしてきたのかを知れる機会は貴重なので。

あとは、30代ぐらいで活躍している社員の方のお話も聞いてみたいです。若手のうちから活躍できる環境があるのかが気になるので、入社後のキャリアプランについて実体験に基づいたお話を聞ければと思います。
 
起業学生 M:自分で0からコンテンツを作るのが好きなので、それを企業の方と一緒にできる機会があれば参加してみたいです。

今自分が企画しているイベントが数十人規模なので、もっと大きい規模のコンテンツやイベントを半年間ぐらいで作り上げていくようなプロジェクトに参加できれば、自分にとって大きな学びになるのではないかと思います。
 
留学生 S:一緒に就活できる仲間がいないので、学生同士のつながりが生まれるようなコンテンツがあると嬉しいです。留学のために一学年落としているので、25卒で就活の話をできる友人が本当に少なくて…。

同じ業界を志望している人や、同じ卒業年度の人たちと交流できるような場があれば嬉しいです。
 
 
取材:小笠原寛、文・編集:西村恵