生まれ育った山口県から上京、就職活動中に人生の“目的”を見つけ、「お互いが持つ世界観に共通点を感じた」ことをきっかけにガイアックスに入社。入社1年目は「学生を知るために、とにかく必死に勉強した」と語る流さんは、どのように新人時代を走り抜いたのか。過去の”tweet”と共に、入社時から現在までを振り返る。
株式会社ガイアックス 人事総務部長 流拓巳
2017年新卒入社。内定者時代は新規事業部でマーケティングや地方拠点立ち上げを経験。入社後は採用担当・経営会議事務局や管理本部採用マネージャーを経て、2020年1月からPeople Empowerment Office立ち上げ及びマネージャーに着任。2021年1月から現職。
目次
人生の“目的”は決まったが、“手段”を決められなかった就活時代
ー流さんは新卒でガイアックスにご入社されていますが、そこに至るまでの経緯について教えてください。
大学時代は人材系の会社でヘッドハンティングのリサーチャーのアルバイトをしていたのですが、将来の”目的”と言えるものはまだ見つかっていませんでした。
そのため、就職活動の時期を迎えたタイミングで、“とにかく色んな大人に会って話を聞こう”と思いました。その人たちとの対話を通して、自分の頭の中を整理しよう、と。
その後、のべ200人以上の方とお会いし対話する中で、自分が大切にしている価値観、見過ごせないと思っているものに改めて気づくことができました。
その結果、自分の人生を通じて達成したい二つの目的を決めました。
1.社会から“他人事”という概念をなくしたい
2.成功体験がないことで自分に自信を持てない人たちが、自信をつけることで輝ける社会を作りたい
この二つの目的を達成するための手段はたくさんあり、正解というものはないですが、当時の自分にはベストな手段を決めることができませんでした。
そこで、手段を決めるよりも先にやっておくべきことは何かを考えたんです。例えば、20代のうちにビジネスで明確な実績を残す、特定の分野において最先端の領域にいる、将来どんな領域を選んでもその分野の第一人者と繋がれるだけの繋がりを先に作っておく、などです。
そのことを念頭に色々な会社を見ている中で、ガイアックスに出会いました。
ガイアックスで働く人たちは一人一人自分なりのミッション・ビジョンを掲げており、その点が自分にも共通していると思いました。
コンサルティング会社に入ることも検討しましたが、自分達が助けたい人たちを選ぶことができるというのも事業会社の魅力だと思い、最終的にはガイアックスを選びました。あと、迷ったときには未知数の方を選ぶ、という自分の癖も影響していたのかもしれません。
7分前に、株式会社ガイアックス管理本部 人事総務部長に就任致しました。よろしくお願い致します。
— 流拓巳@踊るGaiaxHR (@gx_nagare) December 31, 2020
「ライフワークの一つとして」日々SNSでの発信をかかさない流さん。人事総務部長の就任発表もツイッター上で行なった。
“採用手法”ではなく、“採用したい学生”について徹底的に勉強した
ーガイアックスに入社後、1年目から人事へ配属になられたとのことですが、それは流さんのご希望だったのですか。
いえ、内定者インターンを行なっていた時期に、採用担当の方から「うちの部署に来ないか」と声をかけていただいたんです。
当時内定者インターンとして新規事業の関西拠点の立ち上げを行なっていたのですが、その業務の一環でインターンやアルバイトの採用を行っていたこともあり、お声がけいただいたのかもしれません。
最初は事業サイドの部署を選ぶつもりだったのですが、採用や人事領域にも興味があったので、いつかやるなら早い方がいいだろうと思い、最終的に「はい」と返事をしました。
ー人事になられて1年目はどのようなことを意識されていましたか。
就職活動中に出会った優秀な人事の方がフォローしているSNSコンテンツをすべてチェックしたり、外部の人事イベントに参加したり、採用の知識に関してはすべて外部から輸入していました。
すでに誰かが考えた有効な採用手法がある中で、無理に自分が0から新しい採用手法を作り上げる必要はないと思っていたからです。
その代わり、採用ターゲットとなる学生が興味を持っていることに対しては、自分で徹底的に勉強しました。
ESに出て来た知らない単語はすべて調べ、面談で話すときには相手の興味領域に合わせて一つでも気の利いたことを言えるように心がけていました。
同じように、イベントでも気になった学生がいれば、休憩時間を使ってひたすらリサーチしていましたね(笑)。
これはヘッドハンティングのリサーチャーをやっていた経験が活きていたと思います。
あとは、いい意味で「1年目」ということを利用していたと思います。
外部の方に何かを教えていただくときには“まだ1年目だから”という武器を活かして可愛がっていただき、逆に採用イベントでは、学生から“まだ1年目なのに”と思ってもらえるように、自分の見せ方を工夫していました。
ガイアックスには興味がなくても、自分に興味を持ってもらえるよう自己ブランディングに励んでいました。
学生のトレンドは毎年変わる。だからこそ自分をアップデートし続ける。
ー1年目のときにやっておいて良かったと思うご経験はありますか。
経営会議の事務局アシスタントの経験ですね。
経営会議に同席しての議事録やアジェンダの作成、発表者とのやりとりなど、いわゆる雑務的な仕事でしたが、自分よりも上のレイヤーの人たちが何を考え、どのように意思決定をしているのかを知ることができました。
この経験を通じて、会社の全体像を知ることができましたし、会社というのは個人戦ではなく総力戦なんだと実感しました。
この視座を1年目で知ることができたのは、とても大きい経験だったと思います。
会社ごとの事情もあるので、誰もが手を挙げて経営会議に参加できるわけではないと思いますが、少しでも経営層と話すチャンスがあれば、どんどん情報をキャッチアップしにいくことをおすすめします。
本部長4名がレギュラーメンバーだったガイアックス経営会議が9名での新体制になってから1ヶ月半。事業部長数名と若手エンジニアと自分が加わって、今までゲスト参加した時の経営会議とは雰囲気が変わった。人事、採用系の議題も、今までなかった組み合わせで話し合われることで視野が一気に広がった。
— 流拓巳@踊るGaiaxHR (@gx_nagare) October 15, 2020
入社1年目から事務局として参加していた経営会議から学ぶことは非常に多かったという。
ー2年目以降、採用に対する心境の変化はありましたか。
大きな変化はないですね。毎年同じように新卒採用をやっていても、トレンドは毎年変わります。
18卒では喜ばれていた施策が19卒では通用しなくなったり、学生の興味や関心、経験も移り変わっていったり…。
「正直、2年目以降になると採用に飽きてしまう」という意見を耳にすることもありますが、自分をアップデートしないと対応できなくなってしまうので、飽きることはないです。
自分が見えているスコープの採用活動に満足してはいないか
ー人事1年目の流さんにアドバイスするならば、どのようなことをお伝えしますか。
自分が見えているスコープ内だけの採用活動になっていないか、というのは問いたいですね。
就職活動を行なっている学生という枠にターゲットを狭めて考えてしまっていないか、例年との比較だけで優秀さを測ってしまっていないか、返信をしてくれそうな学生だけにアプローチし、その返信率に満足してしまっていないか…という観点にもっと早く気づいておかないといけなかったなと後悔しています。
そこに気付くことが出来ていれば、自社に合う学生がどこにいて、何をしていて、何に興味を持っているのかというマーケティングの要素をもっと早く採用に取り入れることが出来ていたと思います。
採用は営業に似ていると思っていましたが、採用がマーケティングに似ていると気づいたのは2年目以降だったので、それは今でも悔やまれるところですね。
今のガイアックスのポテンシャル採用で求めている基準は
「できれば20代、遅くとも30代中には上場企業の役員を任せられる人材」。色んな外部要因はあれど、20卒入社9名から、入社半年で2名の事業部長が誕生したのは悪くないスピードです。— 流拓巳@踊るGaiaxHR (@gx_nagare) October 1, 2020
高い採用基準だからこそ、「何かと比較して満足してしまっていないか常に問いかける」。
自分にとっての“顧客”は、学生か、経営者か。
ー最後に、人事1年目の方へ伝えたいことはなんですか。
労務、評価、組織開発など、HRの他領域には早めに興味を持っておいたほうがいいと思います。
メンバーの一人として工場の一工程だけを見るのではなく、「工場長は何をしようとしているのか?」という目線ですべての工程を知ると、自分が考えた施策への確信度や質は大きく変わってきます。
また、日々自分がやっている仕事の“顧客”が誰なのかを明確にしておくことも大切だと思います。
学生なのか、株主なのか、経営者なのか、事業部長なのか、現場なのか。
これに正解はないですが、自分が一つ一つの仕事で価値を届けたい相手は誰なのかということが自分の中ではっきりしていないと、無駄な時間をたくさん使ってしまうことになります。
この場合の顧客は常に一人である必要はなく、私はプロジェクトごとに“今回の顧客は誰なのか”ということを意識しています。
そのために、「採用は目的ではなく手段である」ことを忘れずに、全社視点で物事を見続けることが大切だと思います。
僕も個人成果は嫌いではない。
同期で一番とか、他社より選ばれるとかはやはり嬉しい。
ただ、常に、一歩後ろに下がって見ると、その競争相手も含めて、一つのチームである。
極論地球が持続しなければ全ての小競り合いは無意味なのだから。
だから「全体の成果」「実は仲間」を忘れず生きていきたい。— 流拓巳@踊るGaiaxHR (@gx_nagare) December 21, 2020
「もったいないことがすごく嫌い」と語っていた流さん。「会社という枠を超えて成果やノウハウを共有しあえば、世の中からもったいないことも減っていく」という考えのもと、今日も発信を続けている。