2022年5月、新卒学生向けスカウトサービス『iroots』上で、サイトを利用している2023年に卒業予定の大学/大学院生を対象に就活状況についてのアンケートを実施し、814名から回答を得ました。
23卒学生の声をもとに、エントリー数や内定・内定承諾の状況、オンライン/オフライン選考に対する意識についてご紹介します。自社の採用活動にお役立てください。
 

約7割の学生が内定を獲得、うち6割の学生はすでに内定承諾済み

 
「現在の内定状況について教えてください」という質問に対してもっとも多かった回答は「1〜5社から内定(74.7%)」、次に「内定はまだない(20.6%)」、「6社〜10社から内定(4.5%)」、「11社〜20社から内定(0.1%)」という結果になりました。5月中旬時点で内定を取得している学生は7割以上にのぼり、内定早期化の影響が伺えます。
 
【図1】現在の内定状況について教えてください。

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次に、すでに内定を取得していると回答した方(646人)へ「現在の内定承諾状況について教えてください」と質問したところ、「すでに内定承諾をした(62.8%)」、「まだ内定承諾をしていない(37.2%)」という結果になり、内定を取得している人の6割がすでに内定承諾をしていることがわかりました。
 
【図2】(内定を取得している方への質問です)現在の内定承諾状況について教えてください。

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「すでに内定承諾をした」と回答した方(406人)に向けて「内定承諾の決め手について教えてください」と質問したところ、もっとも多かった回答は「事業内容が魅力的だから(72.9%)」、次に「給料や待遇が魅力的だから(50.2%)」、「経営陣または社員が魅力的だから(36.2%)」という結果になりました。
 
【図3】(すでに内定承諾した方への質問です)内定承諾の決め手について教えてください。(3つまで選択可)

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コロナ禍でも「エントリー社数10社以下」の学生が約4割

 
23卒学生に「本格的に就活を開始した時期」について質問したところ、もっとも多かった回答は「大学3年生の夏から(29.7%)」で、次に「大学3年生の春から(22.5%)」、「大学3年生の冬から(14.5%)」という回答が続き、大学3年生の春から夏にかけて動き始めた学生が半数を占める結果となりました。
 
【図4】就活を本格的に開始した時期について教えてください。

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次に、「志望業界や志望企業を絞った時期」について質問したところ、もっとも多かった回答は「大学3年生の秋〜冬(55.2%)」、次に「大学4年生の春以降(20.3%)」、「大学3年生の春〜夏(12.0%)」という結果になりました。本格的に就活を開始した時期の回答結果を踏まえると、サマーインターン参加後の秋〜冬ごろにかけて志望業界や志望企業を絞る学生が多いと予想されます。
 
【図5】志望業界や志望企業を絞った時期について教えてください。

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「本選考にエントリーした企業数」については、「11〜20社(25.4%)」という回答がもっとも多く、次いで「6〜10社(23.7%)」、「1〜5社(20.0%)」という結果になり、コロナ禍でも「エントリー社数10社以下」の学生が約4割を占めていることがわかりました。

 
【図6】本選考にエントリーした企業数について教えてください。

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また、「就活を終えたいと思う時期」については、「2022年5〜6月(41.4%)」という回答がもっとも多く、次いで「すでに就活は終了している(37.0%)」、「2022年7月〜9月(17.6%)」という結果になりました。内定を獲得している学生の6割が内定承諾済みということもあり、すでに4割近くの学生が就活を終了していると回答しました。
 
【図7】就活を終えたいと思う時期について教えてください。

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選考は「完全オンライン」から「ハイブリット型」へ

 
すでに内定を取得している学生(646人)に「内定先企業の選考方法」について質問したところ、もっとも多かった回答は「内定までの全プロセスがオンライン完結だった企業と、対面選考が含まれる企業の両方があった(51.0%)」、次に「内定までの全プロセスがオンライン完結する企業のみだった(34.9%)」、「内定までのプロセスで対面選考が含まれる企業のみだった(14.1%)」という結果になりました。
 
【図8】(すでに内定を持っている方への質問です)内定先企業はどのような選考方法の企業でしたか。

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昨年同時期におこなった22卒学生アンケートでは、「内定までの全プロセスがオンライン完結する企業のみだった(52%)」が最多で、次いで「内定までの全プロセスがオンライン完結だった企業と、対面選考が含まれる企業の両方があった(29%)」という結果だったことから、昨年に比べて選考のオフライン化が進んでいることがわかります。

オフラインでの選考を経験したと答えた人に対して「どのようなイベントや選考が対面で実施されましたか」と質問したところ、もっとも多かったのが「最終面接(31.8%)」、次いで「1次面接〜最終面接の1つ前(20.8%)」、「インターンシップイベント(13.7%)」という結果になりました。
 
【図9】どのようなイベントや選考が対面で実施されましたか。

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オンライン完結ではなく、オフラインでの選考も経験した人へ「オンライン選考と対面では志望度に影響はありましたか」と質問したところ、「志望度に影響はなかった(69.8%)」、「志望度に影響があった(30.2%)」という結果になりました。
 
【図10】オンライン選考と対面では志望度に影響はありましたか。

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また、「志望度に影響があった」と答えた人にその理由を聞くと、オフライン選考によってポジティブな影響を受けたという人が91%という結果になりました。

ポジティブな影響を受けた人の理由としては、「実際に会社の社員さんに挨拶や話をすることで雰囲気が伝わることもあり、実際に建物を目にすることで意欲が湧いてくるため志望度に影響があった」、「オンラインとオフラインで得られる情報の信憑性は変わらないとは思うのだが、競合企業2社から内定をいただいた時に、対面でインターンに参加した企業の方がより安心できてそちらに内定承諾した」という声があげられました。

その一方で、「企業説明会の段階で対面の企業は省いてしまった。気楽に参加できるかどうかという要素はかなり大事」や「イメージしていた雰囲気と、実際に行ってみて感じ取った雰囲気にギャップがあり、志望度を見直すきっかけとなった」というようにオフラインでの選考自体にネガティブな印象を持っている人や、実際に訪問してみるとイメージと違い志望度が下がったと答えた人もいました。
 
 

まとめ

 
今回のアンケート結果と以前23卒学生2名におこなったインタビューの内容を踏まえると、大学3年生のサマーインターンをきっかけに就活を始め、その経験を棚卸しして秋〜冬ごろに志望業界を絞り、厳選した企業にエントリーをするという学生の動きが見えてきました。

また、企業側の動きとしては「完全オンライン選考」からオンラインとオフラインの「ハイブリット型選考」へと移行しつつあるようです。オフラインによって志望度に影響があったと答えた学生の割合は3割にとどまっているものの、やはりオフラインでコミュニケーションをとることによって入社後のイメージを持ちやすい学生も一定数いることから、24卒採用においてもハイブリット型選考はより広がっていくことが予測されます。

これから始まる24卒採用に向けて、改めてこの学生の”本音”からヒントを探ってみてはいかがでしょうか。
 
 
【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『iroots』を利用する2023年に卒業予定の大学生/大学院生
■有効回答数:814名
■調査期間:2022年5月16日 ~ 5月22日