2022年10月、新卒学生向けスカウトサービス『iroots』上で、サイトを利用している2023年に卒業予定の大学/大学院生を対象に就活状況についてのアンケートを実施し、864名から回答を得ました。
 
多くの23卒学生が内定式を迎えた10月。コロナ禍によるオンライン就活が主流となっていた23卒学生は、どのような情報をもとにどのようなタイミングで意思決定をおこなっていたのでしょうか。本レポートは23卒就活の総括として、内定承諾時期や企業を選ぶ決め手になった要因、コロナ禍での就活で感じた課題についてご紹介します。自社の採用活動にお役立てください。
 

内定承諾がもっとも多かったのは何月?

はじめに、内定状況について聞きました。

「内定状況について教えてください」という質問に対してもっとも多かった回答は、「1〜3社から内定(64.9%)」、次に「4〜6社から内定(22.6%)」という結果になりました。
 

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次に、「最初に内定をもらった時期はいつでしたか」とたずねたところ、もっとも多かった回答は「2022年4月〜6月(41.1%)」、次に「2022年1月〜3月(29.6%)」という回答が続きました。

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これに対し、「内定承諾した時期を教えてください」という質問に対しては、「2022年4月〜6月(52.7%)」、次に「2022年7月以降(27.1%)」という回答が続きました。7月以降に内定承諾をした学生が約3割を占めていることから、内定承諾については他社の選考結果などを踏まえて慎重に検討している様子が伺えます。

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内定承諾先への満足度は?

次に、内定承諾の決め手について聞きました。

「内定承諾の決め手について教えてください」という質問に対してもっとも多かった回答は、「事業内容が魅力的だから(63.5.%)」、次に「給与や待遇が魅力的だから(48.9%)」、続いて「経営陣または社員が魅力的だから(37.1%)」、「キャリアの選択肢が広がる経験ができそうだから(36.7%)」という結果になりました。

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次に、「内定承諾に対する満足度を教えてください」とたずねたところ、「とても満足しており、入社するのが楽しみである(67.0%)」、次に「十分に満足しているわけではないが、入社意思を覆すほどではない(30.4%)」、続いて「満足していないので、他社や就職留年などの選択肢も検討している(2.6%)」という結果になりました。大半の学生が、10月の内定式を終えて入社の意思を固めていることがわかります。

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Z世代がもっとも参考にしている情報源は…

続いて、「企業の情報収集をおこなう際に特に参考にしていたものを教えてください」という質問に対しては、「会社のHP(採用サイト、決算資料など)(80.2%)」、「就活サービス(64.0%)」という回答が続きました。

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また、「卒業までの学生生活でもっとも時間を割きたいと思うもの」については「趣味・旅行(52.3%)」が半数を占めるという結果になりました。コロナ禍での学生生活を過ごしてきた世代だからこそ、特に残りの時間は趣味や旅行に時間を割きたいと考えているのかもしれません。

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「就活で後悔していること」にもコロナ禍の影響が

最後に、「就活をする中で『もっとこうなればいいな』と感じたことを教えてください」という質問に対しては、下記のような意見があげられていました。
 
【就活のオンライン化について】

・対面でのイベント等がもっとあればよかったと思います。現在は少しずつコロナウイルスも落ち着いていると思うので、24卒以降の学生さん向けに、対面座談会や説明会がたくさん開催されればいいなと思います。

・23卒の世代はオンラインでのインターンシップやOB訪問が多かったため、対面でのイベントが多い就職活動だったらいいなと感じていました。

・オンラインのインターンシップや面接が増えれば良いなと思いました。移動時間や交通費がかからないので、多くの企業の方と話す機会、面接の経験を増やすことができるからです。

・留学中だったので、最終までオンライン面接の企業がたくさんあったら良いなと思いました。

・面接をオンライン、対面どちらでやるのかを選択できればいいなと感じました。
 
【就活時期について】

・学業で忙しい時期にインターンや選考が重なって大変だったので、もっと就活する時期を自由に選べるようになったらいいなと思いました。

・研究を再開するために、早く就活を終わらせたいという気持ちがありました。大学院に進学した学生の中で、そう感じている人は多いと思います。なので、今後、早期選考を行う企業が増えればいいなと感じました。

・大学に入った時から就活について触れる機会がもっとあってもよかったと思いました。学業が第一優先なのはもちろんですが、1年生のときの必修科目で数時間キャリアについて学んだり、外部講師やOB・OGの方とお話しできる機会があったらより意識的に自分のキャリアについて考えることができたのかなと思います。

・キャリアについて深く考えられるようなきっかけともっと早期に出会えていたらよかったなと思います。
 
【選考内容について】

・面接、という堅苦しい雰囲気ではなく、フラットな会話をしていく中で普段の自分の様子を伝えられるような場であれば良かったなと思います。

・選考過程で、実際にオフィスを見学できるなどの対面イベントなどが各企業ごとに設置されていたらいいなと感じました。やはりオンラインのみの選考では学生側も判断基準として足りない点が多いと思うので、より企業理解を深めるためにも対面でのアクションを設けて欲しいと思いました。

・オンラインの短期インターンに複数社参加させて頂きました。しかし、実務な業務内容とはかけ離れた、花形の事業についてのアイデア出しだったり、学生同士のグループワークが多く、イマイチその会社の雰囲気や具体的な1日のスケジュール、業務内容が掴みにくかった気がします。コロナの感染状況もあり、短期インターンのオンライン開催は仕方ないとは思いますが、もう少し会社の雰囲気や入社後の仕事内容が具体的にわかる体験ができたら良かったなと思いました。

・もっと入社後のことが想像できるような体験ができる機会があれば嬉しいです。オンラインインターンシップが多かったため、若干価値観等にズレがありました。

・もう少し本音で会社について、聞きたいことを聞けるように、選考の要素が全くないという保証がある上での質問会などがあるといいなと感じました。

・就活中に様々な企業の説明会に参加したが、会社のホームページを見れば分かるような情報だけで構成された企業説明会がいくつかあったので、説明会ならではの情報も盛り込んだ企業説明会があるともっと有効に時間を使えると感じました。
 
【後悔していること】

・もっと正直に、本音で就活がしたかったです。就活の軸も志望理由もどこか表向きの表現で、自分の本音とは違う綺麗な言葉を並べていたように思います。そうしなければ選考に進めないという就活の現状もどうかと思いますが、企業ウケや大人ウケを気にすることなく、学生が本心で就活できるようになればいいと思いました。

・実際に企業の人(業種問わず)ともっと話しておけば良かったなと感じます。大学生の視点では正直狭いので。社会人の視座を知った上でキャリア選択ができた方がもっと鮮明に今後を考えたキャリアプランを立てられたと思います。

・業界をかなり絞り過ぎてしまったので、面倒がらずに広い領域で就活しても良かったと思います。

・30社ほどエントリーしましたが、業界を絞り過ぎたようにも思うため、もっと幅広く見ていればよかったです。

・自己分析を早いうちからこつこつ進めれば良かったです。自己分析もままならないまま無理に早期選考を受けるのではなく、対策をしっかりしたあとに面接すれば良かったなと思います。
 

まとめ

23卒学生から寄せられた意見の中には、やはりコロナ禍の就活ならではの気づきや課題が多く含まれていました。企業側が「画面上でリアルな姿を伝えたい」と苦心していたのと同じように、学生側もオンライン上での対話や企業理解に悩んでいた様子が伺えます。その一方で、オンラインで移動時間や交通費がかからなかったからこそ、多くの企業に出会えたというポジティブな意見も多く寄せられていました。

コロナの流行が少し落ち着きを見せている現在においても、「オンラインとオフラインを効果的に組み合わせ、企業と学生が深く理解し合える場を作る」ということ自体は、24卒採用以降も変わらないテーマになるでしょう。

これから本格化する24卒の採用活動に向けて、23卒学生のリアルな学生の声をぜひお役立てください。
 
 
【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『iroots』を利用する2024年に卒業予定の大学生/大学院生
■有効回答数:864名
■調査期間:2022年10月12日 ~ 10月20日